【6月3日 AFP】男子テニスのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)は2日、女子のスーパースターであるセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)のインタビューを行うため、自身が会見室から追い出された前日の出来事に関して言及し、セレーナの「性格の悪さ」を非難した。

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 前回大会のファイナリストで、今大会は第4シードのティエムは1日、勝利したシングルス3回戦後に義務の記者会見に臨んでいたが、ちょうどセレーナが3回戦でソフィア・ケニン(Sofia Kenin、米国)に敗れたことでメインの会見室が必要になったとして、インタビューを別の小さい部屋で終わらせるよう大会関係者から告げられた。

 誰が会見中のティエムを移動させることを決めたのかは不明だが、関係者にインタビューを別の部屋で締めるよう求められたティエムは、「冗談だろう」と怒りをあらわにし、「彼女が向かっているから、自分がここを出なくちゃいけないって? なんだよ、それ。そんなの気にしない。こっちもやりたいようにやる権利がある」と話していた。

 異例の出来事から一夜明け、25歳のティエムは独ユーロスポーツ(Eurosport)に対して「ルールの問題だ」「たとえ会見室にいるのがジュニアの子だったとしても、誰であれ選手は待たなくてはいけない」と語った。

「性格の悪さを示していると思う。(ロジャー・)フェデラー(Roger Federer、スイス)や(ラファエル・)ナダル(Rafael Nadal、スペイン)だったら、あのようなことは絶対にやらないと100パーセント確信している」

 一方、フェデラーはティエムを「スーパースター、男子のスーパースター」と称して擁護に回り、「勝ち残っている選手に優先権があるというのが僕の考えだ」「間違いなく何らかの誤解があったと思う。もしくは主催者が、セレーナを会見を行う建物ではなく、ロッカールームにとどまらせておくべきだった」とコメントした。

 2日、自身はレオナルド・メイヤー(Leonardo Mayer、アルゼンチン)に快勝し、通算54回目の四大大会(グランドスラム)8強入りを決めたフェデラーは「正確に何が起きたのかは知らないが、ドミニクがいら立つのは理解できる。彼がセレーナや誰か他の人に怒っているとは思わない。ただ不運な状況だったと思う」と付け加えた。

 仏スポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)は、セレーナ自身は記者会見の場所にこだわりはなかったと報じており、同選手は「私を別の部屋に入れて。小さい方でいいから。でも早くしてほしい」と話したという。

 ここ約5年のグランドスラムでは最も早いラウンドでの敗退を喫し、いち早く大会会場から出ようとセレーナがやきもきしてくる中で、大会関係者がティエムを別の部屋に移動させ、状況の解決を図ったようにみえるが、セレーナはこの対応に関して「それはかなり失礼」と言ったとも伝えられている。(c)AFP/Dave JAMES