【6月3日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は2日、シリアとロシアに対し、シリア最後の反体制派の拠点となっている北西部イドリブ(Idlib)県を「爆撃でめちゃくちゃにする」のは「やめろ!」とツイッター(Twitter)上で非難した。

 トランプ氏は、英国公式訪問に出発する直前、「ロシアとシリア、それから規模は小さいもののイランが、シリアのイドリブ県を爆撃でめちゃくちゃにして、罪のない多くの民間人を無差別に殺していると聞いた。世界は、この虐殺を注視している。何が目的だ、何を得られるというのだ? やめろ!」とツイートした。

 この投稿に先立ち、シリア国内の複数の非政府組織(NGO)が先月31日、トルコ・イスタンブールで記者会見を開き、イドリブ県での暴力行為の激化に対して国際社会が行動を起こさないことを強く非難。シリア政府軍とロシア軍が最近シリア北西部で行っている空爆では、数十人の民間人が殺害されたほか、30万人がトルコ国境に避難を余儀なくされていると訴えていた。

 また、在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は同日、イドリブ県で起きた直近の戦闘で、約950人が死亡したと述べていた。

 イドリブ県とその周辺は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)傘下の組織を前身とする反体制派連合「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」が掌握している。(c)AFP