【6月3日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2019)は2日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は6-2、6-3、6-3でファン・イグナシオ・ロンデロ(Juan Ignacio Londero、アルゼンチン)を退け、自ら「不可能」に考えていた全仏90勝目を挙げた。

 前回王者で最多11回の優勝を誇るナダルは、これで自身13回目の全仏8強入り。33歳の誕生日の翌日に行われる自身38回目の四大大会(グランドスラム)準々決勝では、錦織圭(Kei Nishikori)とブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)の勝者と対戦する。

 全仏90勝の節目に到達したことについてナダルは、10代で大会デビューを果たした2005年当時の自分にとって、30代になっても全仏の記録を更新し続けることは「不可能」に思えたはずだと話している。

「もちろん、18歳の頃の自分は33歳になってもここにいるなんて思いもしなかった。現実離れした不可能なことに思えたはずだ」

「ナダルは終わったと思われたこともあった」「幸運なことに、問題はあっても意欲とテニスを楽しむ気持ちをなんとか維持できているし、それが何よりうれしい」「ただ、苦しい時期にも続けるモチベーションは常に持っていた。まわりからは、僕のプレースタイルでは長く現役は続けられないと言われたよ。ありがたいことに、その予想は外れた」

 そうした意欲にも支えられ、ナダルは全仏で2005年から2008年と2010年から2014年、そして2017年と2018年に大会を制している。その間、敗れたのは2009年大会4回戦のロビン・ソデルリング(Robin Soderling)戦と、2015年大会準々決勝のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)戦のわずか2回となっている。

 また全仏90勝は、ジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏が全米オープン(The US Open Tennis Championships)で挙げたグランドスラム記録の98勝にあと八つと迫る数字で、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)で挙げている97勝、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)の95勝にも近づいている。

 4回戦で当たる二人とは、錦織戦が通算10勝2敗で、ペールとは4回対戦していまだに負けはない。ただ、そうした数字を意識するかはともかく、33歳の誕生日の過ごし方はあまり深く考えていないようだ。

「あしたの予定? 大会関係者のみんなとここで少しお祝いするよ。ここで働いている人たちとね。正直に言って、僕にとってここのスタッフは特別な人たちで、みんなとは素晴らしい関係を保てている」

「それからちょっとしたディナーを催す。とはいえ次の日に試合があるから、盛大なものにはならない」「それに、もう33歳だなんてうれしくないからね!」 (c)AFP/Dave JAMES