【6月3日 AFP】イタリアの「水の都」ベネチア(Venice)で2日、大型クルーズ船がエンジンの故障で制御不能となり、岸壁に突っ込んで観光船に衝突した。港湾当局の発表によると、観光客4人が軽傷を負った。

 事故が起きたのはジュデッカ(Giudecca)運河のサンバジリオ(San Basilio)とザッテレ(Zattere)の間。ツイッター(Twitter)に投稿された動画には、港にいた人々が逃げるなか、デッキ数13のクルーズ船、MSCオペラ(MSC Opera)がエンジン音をとどろかせて岸壁にぶつかり、観光船に衝突する様子が映し出されている。オペラは2500人余りの乗船が可能で、劇場やダンスホール、子どもの水遊び施設を備えている。

 観光船リバー・カウンテス(River Countess)の船員の一人はイタリアのメディアに対し「(クルーズ)船がわれわれに迫って来るのを見て、皆が叫んで走り出した」と述べた。

 今回の事故で沿岸に極めて近いところまで接近するクルーズ船が、ベネチア市と同市の壊れやすい生態系にもたらす被害をめぐり、再び非難の声が上がっている。(c)AFP