【6月3日 AFP】2日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2019)男子シングルス4回戦で、5時間を超えるフルセットの死闘の末にスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)に敗れたステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)が、涙ながらに「人生最悪の気分」と語った。

 今年の全仏オープンに第6シードとして臨んだチチパスは、今大会最長の5時間9分に及んだ試合を6-7(6-8)、7-5、4-6、6-3、6-8で落とし、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が待つ準々決勝進出を逃した。

 試合後の記者会見では、必死に涙をこらえようとしたチチパスは「人生最悪の気分。特に負けてしまったからね。誰も僕の立場にはなりたくないと思う」「疲れ切っている。なんと言えばいいのか分からないし、このようなことは人生で一度も経験したことがなかった」と打ちひしがれた様子で語った。

 また20歳の新鋭は「最後は本当に悔しかった。試合後に泣くのは久しぶり。感情をコントロールするのは簡単ではなかったが、できるだけこの試合から学びを得たい」と話したが、現時点で何を得られるかは分からないとし、「今は頭の中が空っぽ。何も考えられないし、分からない」と付け加えた。

 コート・スザンヌ・ランラン(Court Suzanne Lenglen)で行われた一戦は、四大大会(グランドスラム)通算3勝を誇るワウリンカが試合を通して27本中22本、最終セットでは全8本のブレークポイントをしのいだ。

 最終セットではマッチポイントを握られた第14ゲームまで一度もブレークチャンスを与えていなかったチチパスだったが、最後はコートの後方からスーパーショットを決められ万事休す。「本当にあと少しだった」と悔やんだ。

「すべてのブレークポイントで彼のやりたいようにやらせてしまった。あれだけ多くのブレークポイントがあったのに。本当にたくさんあったが、生かせなかった。誰かに代わりにプレーしてほしいと思った」

 またチチパスは、ワウリンカがマッチポイントで放ったショットのライン判定が際どかったことを受け、全仏オープンでも自動ライン判定システムのホークアイ(Hawkeye)を導入するよう求めている。ポイントの直後は異議を唱えるかに見えたが、最終的には判定を受け入れたチチパスは「あれは入っていたが、そう(ホークアイを導入)すべきだ。そうすればもっと公平になる」とコメントした。(c)AFP/Jed Court