【6月1日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest、標高8848メートル)で春季の登山シーズンが終わるに当たって、ネパール当局は先月末、登山者4人の遺体を収容し、ごみ約10トンを回収したと明らかにした。

 エベレストでは、地球温暖化で解けた氷河から遺体やごみが表出している。ごみは、商業登山がブームになり、大金を払って登山に参加し、自分が残して行くものにほとんど注意を払わない人々が増えたこの数十年の間に蓄積したものだ。

 報道によると、先週、4人の遺体がヘリコプターで山から搬送された。ネパール観光局のダンドゥ・ラジ・ギミレ(Dandu Raj Ghimire)局長はAFPに対し、この4人の身元の特定が進められていると話した。

 ネパール政府が派遣した総勢14人の部隊は、約6週間にわたり、ベースキャンプと標高8000メートル近い地点にある第4キャンプで、空き缶や瓶、プラスチックごみ、捨てられた登山用具を回収。軍のヘリコプター数機とシェルパらの協力で、エベレストのルートで最後に位置する大きな村ナムチェバザール(Namche Bazar)にごみを移送した。

 利用率の高い登山ルートには、蛍光色のテントや捨てられた登山用品、空のガスボンベ、さらには人の排せつ物が散乱している。

 清掃部隊のリーダーは、「エベレストをきれいにするため、この事業をあと数年、特に高地のキャンプ地で続ける必要がある」とコメントした。(c)AFP