【6月1日 時事通信社】シャナハン米国防長官代行は1日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」で演説し、新たなインド太平洋戦略を発表した。新戦略は他国の主権を無視した中国の威圧的行動に対抗するため、「ネットワーク化された安全保障構造」の構築を目指すと明記。シャナハン氏はアジア諸国がそれぞれ防衛力を強化し、地域安定に「相応の貢献」をするよう求めた。

 公表された新戦略文書は約55ページ。南シナ海の軍事拠点化や知的財産の窃取などを例示し、「中国は軍備近代化や略奪的な経済的手法を通じ、自らの利益に沿う形に地域秩序を変革しようとしている」と批判した。一方で「(米戦略は)全ての国に長期的な平和と繁栄をもたらす」と対立軸を明示するとともに、「米国は自由で開かれたインド太平洋に永続的に関与する」と宣言し、中国への対抗姿勢を鮮明にした。

 戦略の柱としては、同盟国やパートナー国との連携強化や、アジア諸国間の協力を促進して国際ルールに基づく秩序を擁護する安保ネットワークの構築を掲げた。

 シャナハン氏は演説で「競争は紛争を意味するものではない」としつつも、「他国の主権を侵害する行為はやめさせなければならない」と強調。「各国は主権をしっかりと確保し、独立した決断を行うための能力獲得に投資してほしい」と述べ、防衛能力や抑止力を強化するよう呼び掛けた。

 中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)については、中国政府がデータ共有を法律で義務付けており、「政府との関係が近すぎる」と警告。同社製品を使用した場合の情報漏えいや知的財産窃取に危機感を示した。(c)時事通信社