【5月31日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相(64)は30日、米ハーバード大学(Harvard University)の卒業式で講演し、人間がとり得るあらゆる手段をもって気候変動に取り組むよう訴えた。

 メルケル氏は「気候変動は地球資源への脅威となっている」と述べた上、「気候変動も、その結果として生じている危機も、もたらしているのは人間だ」と強調。「われわれはこうした人類に対する課題を人間がとり得るあらゆる手段を用いて克服できるし、また克服しなければならない」と訴えた。

 ただ、メルケル政権は二酸化炭素(CO2)排出量削減への取り組みが遅いと批判されており、メルケル氏は「自戒を込めて」とした上、「まだ実現可能だ。しかし私たち一人一人がそれぞれの役割を果たさなければならない」と語り、「ドイツが2050年までに気候中立という目標を達成するため、私は全力を尽くす」と誓った。

 またメルケル氏は、「壁」や「真実のような嘘」が自由貿易の障害になっていると指摘。名指しこそしなかったものの、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を暗に批判した格好で、「困難な問題にも私たちは良き答えを見つけられる」と強調した。(c)AFP/Marlowe HOOD