【5月31日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2019)は30日、女子シングルス2回戦が行われ、大会第1シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)は4-6、7-5、6-3でビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)から逆転勝ちを収めた。大坂は試合後、2試合連続で崖っぷちから逃れたことについて、アザレンカの約10分間に及ぶトイレ休憩に助けられたと明かした。

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 全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)と全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)に続く四大大会(グランドスラム)3勝目を目指している大坂は、1セット目を先取され、さらに1ブレークダウンとなりながらも、元世界ランク1位でグランドスラム通算2勝を誇る強豪をはねのけた。

 両選手が第3セット開始前にトイレ休憩を取ると、大坂がすぐにコートに戻ってきたのに対し、アザレンカは11分近くも姿を見せなかった。大坂がじっと待機している中、多くの観客はアザレンカが駆け引きをもくろんでわざと遅れていると怪しんだ。

 しかし、仮にその通りならば21歳の大坂にとっては逆効果だったようで、「トイレに着替えに行ったとき、コードバイオレーションを犯したくなくて焦っていた」「だから急いで用を済ませたけれど、戻ってきたら相手はまだ帰ってきていなかった。それで気持ちが楽になった」という。

「急いで着替えようとするあまりに、その間はずっと手が震えていた。それで戻ったら彼女がいなかったので、その少しの時間で気持ちを落ち着かせたり、どうやって戦っていこうか考えたりできた。だから、自分にとっては好都合だった」

 アンナ・カロリーナ・シュミドローバ(Anna Karolina Schmiedlova、スロバキア)との1回戦では敗退まで2ポイントに追い詰められた大坂は、第2セットもアザレンカにゲームカウント2-4と劣勢に立たされた。しかしそこから奮起し、マッチポイントを2本ふいにしながらも勝利をもぎとった。

 大坂は2時間50分の激闘で52本のウイナーと43本のアンフォーストエラーを記録。また、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)のトップシード選手が初戦と2回戦でいずれも第1セットを落とながらも逆転勝ちを収めたのは、2005年大会でリンゼイ・ダベンポート(Lindsay Davenport、米国)氏が記録して以来の出来事となった。

 一方、3回戦で大坂との対戦が決まった世界42位のカテリーナ・シニアコバ(Katerina Siniakova、チェコ)は、第29シードのマリア・サッカリ(Maria Sakkari、ギリシャ)と3時間10分に及ぶ消耗戦を繰り広げ、7-6(7-5)、6-7(8-10)、6-3で勝利を手にした。(c)AFP/Dave JAMES