【5月30日 AFP】(更新)ハンガリーの首都ブダペストを流れるドナウ(Danube)川で29日に発生し、韓国人観光客7人が死亡、21人が行方不明になっている遊覧船の沈没事故で、ハンガリー警察は30日、刑事事件として捜査を開始したと発表した。

「人魚」という意味の名前が付けられた全長26メートルの同船は29日夜、大雨が降る中、より大型の船と衝突して沈没した。当時船には35人が乗っており、その大半が韓国人観光客で、中には6歳の女児もいたという。

 警察に加え、軍のダイバーらも出て生存者を捜しているが、ここ数週間の大雨でドナウ川は増水し流れも速くなっていることから、捜索活動は困難な状況となっている。

 警察が報道陣に公開した、橋に設置された防犯カメラが捉えた映像には、遊覧船がより大きなクルーズ船とぶつかる様子が映っている。

 警察幹部は記者会見で、この映像から、衝突前に遊覧船が何らかの理由でクルーズ船の方へ向きを変え、その後クルーズ船が遊覧船を転覆させ、遊覧船は7秒で沈没したことが分かったと説明。

 さらに「公共水路における刑事過失の疑いで捜査が開始された」と述べ、クルーズ船側のウクライナ人船長から事情聴取していることを明らかにした。(c)AFP/Peter MURPHY