【5月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の伝説的ドライバー、ニキ・ラウダ(Niki Lauda)氏の葬儀が29日、故郷オーストリア・ウィーンの聖ステファン教会(St Stephen's Cathedral)で営まれ、現F1王者のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)をはじめ数千人が参列した。

 弔問に訪れたオーストリア出身の俳優で米カリフォルニア州元知事のアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)氏は、「私たちは皆、ニキを愛し尊敬していた。彼の勇気、意思、強さ、そして愛情に敬服していた」とコメントした。

 計3回の年間王者に輝き、大事故からの見事なカムバックで世界中のファンを魅了したラウダ氏は20日、70歳で息を引き取った。

 オーストリアのアレクサンダー・ファンデアベレン(Alexander Van der Bellen)大統領は、ラウダ氏の家族や数百人の著名人、オーストリア内外から足を運んだ参列者の前で「さようなら、ワールドチャンピオン! すべてに感謝します」と弔辞を述べた。

 葬儀にはメルセデスAMG(Mercedes AMG)のトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表とドライバーのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)や、元ドライバーのアラン・プロスト(Alain Prost)氏やゲルハルト・ベルガー(Gerhard Berger)氏らF1界の重鎮をはじめ、先日内閣不信任案が可決され首相からの退任が決まったセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)氏の姿もあった。

 教会ではラウダ氏のお気に入りだったというトレイシー・チャップマン(Tracy Chapman)さんの楽曲や、ジョン・レノン(John Lennon)さんの「イマジン(Imagine)」が流された。

 教会に足を運んだ多くの人は、ラウダ氏が事故で負った傷を隠すために着用し、トレードマークとなった赤いキャップに似た帽子をかぶっていた。また、会場にはフェラーリ(Ferrari)のフラッグも掲げられた。ラウダ氏は1975年と1977年にフェラーリで、1984年にマクラーレン(McLaren)で年間王者に輝いた。

 映像はラウダ氏の葬儀後の出棺に立ち会う参列者と集まったファン、29日撮影。(c)AFP/Philippe SCHWAB