■中国にいつか帰国?

 王氏は中国国内で人権活動や民主化活動をしたら再び逮捕される可能性があることは十分分かっていたが、自らの信念を伝えるために国内を回ることにした。

「1989年に死んだ人々や若さを犠牲にした人々に対し、ある種の義務と責任を感じていた」と王氏は言う。当然のことながら再び逮捕され、今回は11年の実刑が下された。

 だが、1998年に表向きは治療のためとして再び釈放されると、王氏は米国へ亡命した。ハーバード大学(Harvard University)で東アジア史の博士号を取得し、中国の民主化を求める運動を続けている。

 中国へは20年戻っていないが、両親は今も中国で暮らしている。王氏は常に帰国を考えている。「いつかは、と確信している。それがいつになるか、分からないだけだ」 (c)AFP/ Sebastien BLANC