【5月30日 AFP】米カリフォルニア州の病院は29日、昨年12月に世界最小の体重245グラムで生まれた女児が順調に成長し、今月初めに退院したことを明らかにした。出生時の体重は大きめのリンゴ1個とほぼ同じ。身長は23センチで、看護師の手のひらに乗るサイズだった。

 サンディエゴ(San Diego)のシャープ・メアリー・バーチ婦人科・新生児科病院(Sharp Mary Birch Hospital for Women and Newborns)で、妊娠23週3日目の早産で生まれた女児は、看護師たちから「セイビー(Saybie)」ちゃんという愛称で呼ばれてきた。

 医師団によると、セイビーちゃんの母親は妊娠合併症を発症し、命に関わる深刻な事態となったため、緊急帝王切開で出産した。

 父親は当初、生まれた赤ちゃんは1時間ほどしか生きられないと医師に宣告されたという。「でも、1時間が2時間になり、1日になり、1週間になった」と、母親は病院を通じて公開された映像で語っている。

 セイビーちゃんは生後5か月間を新生児集中治療室で過ごし、体重が2.2キロに増えた今月初め、卒業生用の四角い帽子をかぶって無事退院した。

 担当看護師のキム・ノービー(Kim Norby)さんは、「間違いなく奇跡だ」とコメント。同じく看護師のエマ・ウィースト(Emma Wiest)さんは、生まれた直後のセイビーちゃんがあまりにも小さかったため、「ベッドのどこにいるのか分からないくらいだった」と話している。(c)AFP