【5月30日 AFP】米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)が制作したドラマシリーズ「13の理由(13 Reasons Why)」をめぐり、2017年3月の配信開始から数か月の間に米国の若者の自殺者が急増したことを示す新たな研究結果が発表された。

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 13の理由をめぐっては今月初旬、ドラマ配信後9か月間の10~17歳の自殺件数が過去の統計などから想定される件数よりも195件多く、29%近い増加に当たるとの報告書が米国児童青年精神医学会(AACAP)の雑誌に掲載された。

 29日に米国医師会(AMA)の精神医学専門誌「JAMAサイキアトリー(JAMA Psychiatry)」に掲載された新たな研究結果によると、2017年4月から6月までの10~19歳の自殺件数は想定よりも13%多く、女性の比率が高かった。

 研究を行ったのはオーストリア・ウィーン医科大学(Medical University of Vienna)のトーマス・ニーダークロテンターラー(Thomas Niederkrotenthaler)氏が率いるチームで、米疾病対策センター(CDC)の自殺に関するデータが用いられた。

 ネットフリックスは視聴者データを公表していないため、研究チームはツイッター(Twitter)やインスタグラム(Instagram)上で拡散したドラマの話題から人気度を推測。

 配信開始後わずか3週間でおよそ1100万回のツイートがあったが、研究チームによると2017年6月以降はソーシャルメディアでの注目がそれほどでもなかったため、研究の対象期間を4月から6月に絞ったという。

 その結果、同期間の10~19歳の自殺件数は想定より94件多い13.3%増と推定され、女性の比率が高かったことが分かった。研究チームはこれについて、ドラマが17歳の女子高生の自殺をテーマにしていることが原因だとみている。

 ただ、研究結果は推測に基づくもので正確性には限界があり、自殺者が実際にドラマを見たかどうかについて確証を得ることはできなかったと研究チームは指摘している。(c)AFP