【5月31日 Xinhua News】中国の孔鉉佑(Kong Xuanyou)新任駐日大使は28日、赴任前のインタビューに応じ、中日両国は「あなたの中にわれあり、われの中にあなたあり」という利益が高度に融合した関係をすでに形成していると述べ、双方が初心を忘れず、互いに歩み寄りさえすれば、新時代にふさわしい中日関係を必ず築くことができると表明した。

 孔氏は30日に日本に赴任する。「中日国交正常化以来の47年の歴史を振り返れば、中日関係は風雨ともに歩んできた。成果の共通認識であれ、経験と教訓であれ、いずれも両国関係の未来の発展の鏡となる」と述べた。

 孔氏は、中日関係は国交正常化以降、全体としては長足の発展を遂げたが、波乱ひいては曲折も経験したと述べ、双方は新時代を迎え「一帯一路」構想における第三国市場協力の強化などの形を通じて、競争を協調に変え、相手に対する新たな認識を確立しつつあるとの認識を示した。

 昨年10月の安倍晋三首相の訪中で、両国は初めて第三国市場協力フォーラムを開催し、50余りの共通認識に達した。今年4月末には二階俊博自民党幹事長が安倍晋三首相の特使として訪中し、第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席。「一帯一路」構想は巨大な潜在力を持つ壮大な構想であり、世界と地域に貢献するものだと何度も評価した。

 孔氏は「『一帯一路』の共同建設は、中日両国が互恵協力を深めるための新たなプラットフォームと試験田を提供した」と述べ、日本側の積極的な態度表明が徐々により具体的な政策と実際の行動へと変わり、関連成果の一日も早い実現を推し進め、地域と世界の繁栄と発展を共に促進していくことに期待を示した。

 日本でまもなく開催されるG20大阪サミットについては、中国の指導者が日本に招かれて出席することは、日本のサミット成功に対する支持の表れだと指摘。「中日関係にとっても重要なプラスとなる」と述べた。

 また「中国は、G20大阪サミットが成功を収め、多国間主義と開放型世界経済の推進に向けプラスのシグナルを送り、自由貿易体制の維持に対する国際社会の自信を固めることを期待し、それを支持する。日本とこれを機に、より深いレベルでの政治的相互信頼を増進させ、より幅広い分野で互恵協力を拡大し、中日関係が新たな段階に進むための建設的な役割を果たしたい」と述べた。 

 34年の外交経験を持つ孔氏は、その時間の多くで対日業務に従事し、三十数年前の日米貿易摩擦を目の当たりにした。孔氏は「日本は当時、日米貿易摩擦を緩和するために自動車や電子製品の輸出を自主的に制限し、市場の法則に反して米国の商品を大量に購入した。急激な円高の容認は最終的にバブル経済の崩壊をもたらし、日本経済に巨大な衝撃を与え、その影響は今でも続いていると日本の友人から聞いた」と語る。 

 孔氏はまた「今の世界は30年前とは異なる。中米関係も当時の日米関係ではない。われわれは経済貿易問題で示すべき誠意を持っているが、決して戦いを恐れないという決意もある。誰であれ中国に国益を損なう苦い結果をのませようなど幻想してはならない」と表明した。 

 国の交わりは双方の民の親しさによって決まる。今年は中日青少年交流推進年であり、双方は今後5年間で3万人の青少年の交流と相互訪問を実現させるとしている。孔氏は、双方はこれを契機に友好の種を広くまき、両国の人的・文化的交流に良好なモデル効果とけん引効果をもたらすべきだと表明。両国がハイレベルの人的・文化的交流協議メカニズムの構築を積極的に検討していることを明らかにし、「両国の人的・文化的交流に大きな推進力をもたらすことになる」と語った。 

 「中日関係が安定的かつ長期的に発展していくためには、両国間の四つの政治文書の諸原則を厳守し、政治的相互信頼にプラスのエネルギーを絶えず注ぎ込む必要がある。互恵協力の質の向上と高度化を推進し、人的・文化的交流を幅広く行い、二国間関係で依然存在する相違と矛盾を建設的にコントロールしなければならない」とも指摘。「双方が初心を忘れず、国交正常化時の政治的約束を守り、歩み寄れば、新時代にふさわしい中日関係を必ず築くことができる」と語った。 (c)Xinhua News/AFPBB News