【5月29日 AFP】フランス南部の港に28日、サウジアラビアの貨物船が砲弾などを積み込むために到着したと、調査報道機関ディスクローズ(Disclose)が伝えた。人権団体は、フランスがサウジに販売している兵器がイエメン内戦で使用されていると指摘しており、批判が再び強まっている。

 ディスクローズは今月初めにも同様の報道を行い、サウジ側に兵器の積載中止を求める声が強まっていた。さらに今回、南部マルセイユ(Marseille)近郊の港で、仏製自走砲「カエサル(CAESAR)」の砲弾などが積み込まれると報じた。

 これを受けて、取引に関係するサウジ輸送会社の在仏担当者は、兵器の輸送計画を否定。同船に積み込まれるのはドイツ企業シーメンス(Siemens)製の民間用発電装置のみであり、「兵器や爆薬の積載との報道は全くのうそだ」と話している。

 人権団体は、サウジ政府が仏製兵器をイエメンの民間人に対して使用していると非難。サウジは同盟国のアラブ首長国連邦(UAE)と共にイエメン内戦に軍事介入しており、介入が始まった2015年以降の死者数は約1万人に上っている。

 一部の仏議員も、サウジへの兵器販売を一時中止するよう要求している。

 世界第3位の武器輸出国であるフランスにとって、サウジとUAEは主要な輸出先。フランスは両国への兵器販売中止を求める圧力にさらされながらも、取引を続けている。(c)AFP