【5月29日 AFP】パプアニューギニアのピーター・オニール(Peter O'Neill)首相が29日、辞任した。同首相は議会に対し、閣僚の相次ぐ辞任や不信任決議案の可決が確実との見通しを受け、総督に辞表を提出したと説明した。

 オニール氏は「経済的信頼と社会の結束」の必要性に触れ、「わが国で進行中の政局安定に資するために」辞任を決意したと明らかにした。

 パプアニューギニアは800以上の言語が存在する民族的に多様な国家。オニール氏は8年にわたって国を率いてきた一方、同国特有とも言える汚職や低開発から脱せない状態をめぐり激しい非難を受けてきた。また同国は以前にもまして米国と中国の競争の土俵となっている。

 オニール政権は昨年、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の開催に合わせ、各国首脳の送迎用に高級車マセラティ(Maserati)40台を購入。首都ポートモレスビーにわずかしかない完全舗装の道路を高級車が走行したことは、同政権の象徴となった。(c)AFP