【5月29日 MEE】

■エジプト、国家予算暴露のウェブサイトを遮断

 エジプト政府は、同国が抱える財政赤字の実態を暴露したビジネスニュースサイト「アルマル(Al-Mal)」を遮断した。

 ニュースサイト「アラビ21(Arabi21)」によると、アルマルは台湾の電子機器メーカー、華碩電脳(ASUS、エイスース)がエジプトのスマートフォン市場から撤退する見込みだとも伝えていた。

 エジプト政府は2017年以降、500以上のサイトを遮断している。アルマルの遮断は、アブダラ・セナイ(Abdallah al-Sennay)とアブデル・アジム・ハマド(Abdel Azim Hammad)の両記者による記事が禁止処分を受けたのと時を同じくして行われた。

 セナイ記者は記事でエジプト政府を批判。一方のハマド記者は、フェイスブックのフォロワーに対し、記事がシュルーク(Shorouk)紙による検閲を受けたことを否定し、禁止処分は「サウジアラビアへの配慮」によるものだと説明した。

■シリア、「食料安全保障上の大惨事」に直面

 サウジアラビア日刊紙アッシャルク・アルアウサト(Asharq Al-Awsat)によると、シリアでは内戦により「食料安全保障上の大惨事」が起きており、国民の93%余りが「貧困と窮乏」にあえいでいる。

 シリア政策研究センター(SCPR)が実施した調査では、シリア内戦では食料の剥奪が「戦争の道具」として利用されていることが明らかとなっている。

 内戦によって2017年末までにシリア経済に生じた損失は3800億ドル(約41兆6000億円)と推定されている。また同じ調査によると、収入源や給料、雇用機会が減る中、生活コストは上昇し続けているという。


■モロッコ、女性の暴力被害が増加

 モロッコ政府が行った調査の結果、同国全土で女性の暴力被害が増加していることが明らかとなった。ロンドン発行のアラビア語紙アルクッズ・アルアラビ(Al-Quds Al-Arabi)が伝えた。

 家族・連帯・平等・社会開発省が公表した調査結果によると、25~29歳の女性が被害を最も受けやすく、中でも婚約または結婚している女性が多く虐待被害を受けている。

 モロッコでは昨年9月、女性に対する暴力撲滅を目指す法律が施行され、バシマ・ハッカウィ(Bassima Hakkaoui)家族・連帯・平等・社会開発相により「革命的」と評された。

*アラブ報道レビューは、ミドル・イースト・アイ(MEE)がメディア各社の報道をまとめた記事です。MEEはこれら報道の正確性を検証していません。

By Mohammad Ayesh

(c)Middle East Eye 2019/AFPBB News