■スウェーデンでは緑の党が2議席減らす

 緑の党は広く得票率を伸ばしたが、特に目覚ましかったのはドイツ(20.5%)、フランス(13.47%)、英国(12.1%)だ。

 ドイツのノイバウアーさんはツイッター(Twitter)への投稿で、「欧州議会選挙から分かるのは、私たちによって気候変動の危機は街頭だけではなく、投票箱にまで届いていることだ」と書いた。一方、自身はまだ選挙権年齢には達していないトゥンベリさんも26日、「未来のために」投票するようインスタグラム(Instagram)を通じて欧州の人々に呼び掛けていた。

 スウェーデンのリベラル寄りの日刊紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)は27日、「欧州でグレタ旋風が吹き荒れた」と報道。その一方で「予言者郷里に入れられず」と書き、スウェーデンの緑の党が振るわなかったことを伝えた。同国の緑の党は、これまでの4議席を2議席に減らしたのだ。

 しかし、今回の得票率11.4%は、トゥンベリさんの呼び掛けで若者たちが授業をボイコットし、デモに参加する動きが世界的な現象になる以前の2018年9月に行われたスウェーデン議会選挙の同4.4%を大きく上回った。

 公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)が行った出口調査によると、同国の女性有権者の約15%が緑の党に投票したとされる。

 同国の高校生、ルイース・ウィルマン(Louise Wirman)さん(18)は、「グレタ(・トゥンベリ)さんはすごく励みになる。投票する上で影響を受け、彼女が言ったことも真剣に受け止めた。例えば、『私たちの孫の世代から、なぜ私たちは何も行動を起こさなかったのかと問われることになるかもしれない』という発言に」と話す。

 若い活動家の多くが女性という事実は、「若い女性はリベラルな政党に引かれ、中高年の男性は右派、そしてある程度ポピュリスト政党に傾く」事実に起因すると、政治学者のソフィー・ブロムバック(Sofie Blomback)氏はAFPの取材で指摘した。