【5月28日 AFP】インドネシアの警察当局は27日、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」中の飲酒に対し警告するために、首都ジャカルタで密造酒の瓶、約1万8000本を重機で破壊し処分した。

 インドネシアでは人口2億6000万人のうちイスラム教徒が90%を占める。ラマダン中は日の出から日の入りまでの時間帯での飲食、喫煙、性行為が禁止されている。

 ジャカルタ市内では過去数か月間の家宅捜査で大量の密造酒が押収された。警察がそれらの瓶を並べて重機で踏みつぶし処分する措置は毎年恒例になっている。

 押収した違法酒類の瓶を破壊し、ラマダン中の飲酒が禁止されていることを人々に再確認させるのはインドネシア当局の常とう手段だ。

 イスラム教徒は一般的に一年を通じて飲酒が禁じられている。しかしインドネシアではほとんどの国民が穏健なイスラム教徒であるため、主要都市のバーやナイトクラブ、またバリ(Bali)のような人気観光地ではアルコール飲料が販売されている。だが、ラマダン中はジャカルタを含めた各地で娯楽施設が閉鎖されている。

 映像は重機で処分される密造酒、27日撮影。(c)AFP