【5月28日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2019)は27日、男子シングルス1回戦が行われ、大会連覇を目指す第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は6-2、6-1、6-3で予選勝者のヤニック・ハンフマン(Yannick Hanfmann、ドイツ)を一蹴し、大会記録を更新する通算12度目のタイトル獲得に向けて完璧なスタートを切った。

 四大大会(グランドスラム)通算17勝を誇るナダルは、改修されたコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)での初戦に快勝し、全仏オープンでの通算成績を87勝2敗に伸ばした。

 今季のクレーコートでは3大会連続で準決勝敗退に終わったものの、前週のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2019)決勝では往年のライバル、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を倒し、本来の調子を取り戻したと思われるナダルは、「ここでプレーするのは、いつだって素晴らしい。新しくなったシャトリエもすごくいいね」とコメントした。

「自分のキャリアにとって、重要な場所だ」「イタリア国際では良い大会を経験し、とても自信になった。次もこの調子でいきたい」

 一方、世界ランク180位のハンフマンは、ナダルのサービスゲームで始まった第1セットの第1ゲームでいきなり4本のブレークポイントを握り、最初の9分間で夢を手繰り寄せるかに思われた。しかし、通算11度の全仏制覇を誇る王者がピンチをいずれもしのぎ、世界2位の実力を存分に見せつけた。

 試合後にナダルからネット際でねぎらいの言葉を受けた27歳のハンフマンは、「あの第1ゲームにはがっかりした」とコメントした。

「第1ゲームは、良いリターンが打てた手応えがあったし、ラファ(ナダル)も明らかに少しナーバスになっていた」「それは明白で、あそこでは自分にチャンスがあった。そうだね、できればブレークに成功したかった。そうすれば自分が主導権を握り、展開が少し変わっていたかもしれない。だけど、ご覧の通りだ」

 32歳のナダルは次戦、再びドイツ出身で「ヤニック」というファーストネームを持つ選手と顔を合わせることになった。

 予選勝者で世界114位のヤニック・マデン(Yannick Maden、ドイツ)は、同じく予選から勝ち上がってきたキマー・コペヤンス(Kimmer Coppejans、ベルギー)を7-6(7-0)、7-5、6-3で下し、今季マッチ2勝目を記録してナダルとの2回戦に進出した。ハンフマンと同様に米国の大学で腕を磨いた29歳にとっては、これがグランドスラム初白星となった。

 ナダルはあまり知られていない両者との対戦に潜んでいる落とし穴について、「ユーチューブ(YouTube)があれば何か見つかる」と語った。(c)AFP/Jed Court