【5月29日 CNS】中国・福建省(Fujian)晋江市(Jinjiang)の五店市(Wudianshi)伝統街区で、一風変わった伝統的人形劇「大名府(Damingfu)」が上演された。

 厦門(アモイ)大学(Xiamen University)ソフトウェア学院と晋江市「掌中木偶(もくぐう、手で演じる木で作った人形)」芸術保護伝承センターが共同開発したロボットと晋江市掌中木偶劇団の演者が一緒に舞台に上がり、無形文化財に現代科学を加えた不思議なショーを観客に披露した。

 この人間とロボットの共演プロジェクトは、2か月以上の時間をかけて準備してきた。ロボットは、人間の演者の腕と指の動きをまねてロボットアームとロボットハンドを動かすよう学習した。これに加え、人工知能(AI)の技術を使い、ロボットに人間の振り付けを覚えさせ、演芸レベルを向上させた。

 晋江の「掌中木偶劇」は別名を南派布袋劇(なんぱほていげき)と呼ばれ、泉州(Quanzhou)地方特有の歌い方である「泉腔(Quanqiang)」で歌われ、北部の漳州(Zhangzhou)の「北派布袋劇」とは異なるものとして、長く福建省南部から台湾にかけて受け継がれ、2006年には国務院により国家級無形文化財保護目録に登録された。

 同センターの陳詩章(Chen Shizhang)主任によると、「伝統の人形劇を見る人は多いとは言えないので、大学と協力し合うことで、伝統と現代科学を結び付け、晋江の伝統文化を広めていきたい」としている。

 同センターと厦門大学は今後も協力関係を継続し、共同出演の演目をさらに増やし、年齢を問わず楽しめるロボットと人間の共演ショーを定期的に行っていくとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News