【5月28日 AFP】オーストリアの国民議会で27日、セバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相とその内閣に対する不信任案が可決された。同国での内閣不信任案の可決は第2次世界大戦(World War II)後初めて。同首相は副首相(当時)による汚職疑惑をめぐり、すでに極右政党との連立政権崩壊を強いられていた。

 今月、副首相兼公務・スポーツ相と自由党党首のハインツクリスティアン・シュトラッヘ(Heinz-Christian Strache)氏が、スペイン・イビサ(Ibiza)島で、ロシア人の支援者を装った女性に対し、選挙支援の見返りに公共事業を受注させる便宜供与を約束した様子を捉えた映像が公開された。これを受け同氏は三つの職を辞任した。

 「イビサゲート(Ibizagate)」とも呼ばれるこの疑惑の映像公開で、クルツ首相と自由党との連立政権は崩壊。同首相は今秋、前倒しで総選挙を実施する意向を示した。

 しかし野党各党は、クルツ氏も疑惑の責任を取る必要があると訴え、不信任案を提出していた。(c)AFP/Jastinder KHERA and Julia ZAPPEI