【5月25日 AFP】韓国サムスングループ(Samsung Group)の医薬品受託製造大手サムスンバイオロジクス(Samsung BioLogics)の粉飾会計事件で、ソウル中央地裁は25日、電機大手サムスン電子(Samsung Electronics)の副社長2人について、証拠隠滅などの容疑で逮捕状を出した。聯合(Yonhap)ニュースが報じた。

 サムスンバイオロジクスの金泰漢(キム・テハン、Kim Tae-han)社長も2015年の証拠隠滅に関与したとされるが、ソウル中央地裁は「議論の余地がある」として逮捕状請求を退けた。

 サムスンバイオロジクスは首都ソウル西郊仁川(Incheon)に本社を置き、医薬品受託製造業界の市場シェアで世界3位。韓国企業の時価総額ランキングで10位以内に入っている。

 韓国金融監督委員会(FSC)は昨年11月、サムスンバイオロジクスが新規株式公開(IPO)の1年前の2015年、子会社の時価総額を水増しして「故意に」会計規則に違反したと指摘。検察にサムスンバイオロジクスを不正会計容疑で捜査するよう求め、同社には金泰漢社長の解任を勧告した。

 サムスン電子は先月、マイクロチップの市況が下落し競争が激化する中、第1四半期の純利益が大きく落ち込んだと発表していた。サムスングループは医薬品・医療事業が将来、現在の基幹事業である携帯端末とマイクロチップの製造を上回る成長の原動力になると考えている。(c)AFP