国連(UN)のマーク・ローコック(Mark Lowcock)事務次長(人道問題担当)は17日の国連安全保障理事会(UN Security Council)緊急会合で、戦闘激化により「最も恐れていたことが現実となりつつある」と指摘。「私は9月18日にここで行った報告で、軍による全面攻勢は21世紀最悪の人道上の悲劇となると述べた。警告にもかかわらず、われわれが最も恐れていたことが現実となりつつある」と語った。

 シリア北部の病院で救急医療を担当するアフメド・ホール医師は、攻撃による多数の負傷者に対応するため医師らが「限界を超えて」働いていると語った。破壊された病院で難を逃れた医師らが負担軽減に協力しているものの、抗生物質や血清、輸血用血液、応急手当てに使われる医薬品が大量に必要とされているという。

 ハマ県在住のハリド・バハルさん(36)は、金属片で負傷した娘のサミラさん(9)が医師の時間と医薬品の不足により十分な手当てが受けられないことを心配している。

「私たちがここ3日間で病院を訪れた時は毎回、長時間待ったあげく、医師らの診療は数分間だけで、何も渡されずに帰された。薬も、追加の治療もなしに」

「満足にみてもらえないことで、娘のけがが悪化するのではないと心配している。少なくとも抗生物質が必要なはずだが、どこで手に入れればいいのか?」

By Zouhir Al Shimale, Amandla Thomas-Johnson

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