【5月24日 AFP】正体不明の英国の芸術家バンクシー(Banksy)がイタリアの「水の都」ベネチア(Venice)で露店を開き、新作を公開したと主張している。また、運河沿いの壁には助けを求める移民の子どもを描いたバンクシー風の絵が出現した。

 バンクシーはインスタグラム(Instagram)に動画を投稿し、帽子やコート、新聞紙で姿を隠したバンクシー本人とみられる男性がベネチア中心部のサンマルコ広場(Saint Mark's Square)で露店を開く様子を紹介。

 男性は動画の中で、組み合わせると小さなゴンドラに囲まれてベネチアの運河を航行する巨大なクルーズ船が現れる、18世紀のベネチアの画家カナレット(Canaletto)風の油絵9枚を並べた。

 作品のタイトルは「ベニス・イン・オイル(Venice in Oil、油の中のベネチアの意)」で、ベネチアで問題となっているマスツーリズムを批判したものとみられる。

 動画は最後、男性が警察官から店を畳んで立ち退くよう命じられる場面で終わっている。作品が売れたのかどうかについては一切説明はなかった。

 ベネチアでは現在、ベネチア・ビエンナーレ(Venice Biennale)国際美術展が開催中。インスタグラムの投稿でバンクシーは、同展に合わせて作品展示を実施したと明かした一方、「世界で最も大きく権威ある芸術イベントなのに、どういうわけか一度も招待されたことがない」と嫌味交じりのコメントも残している。(c)AFP/Franck IOVENE