【5月24日 AFP】米国によるイラン産原油の禁輸制裁を受け、インドがイラン産原油の輸入を完全に停止した。ハルシュ・バルダン・シュリングラ(Harsh Vardhan Shringla)駐米大使が23日、明らかにした。イラン産原油の輸入をめぐっては、米国に制裁の適用除外を打ち切られた国々が対応に苦慮しているが、インドもやむなく米国に追随した形だ。

 イラン政府への圧力を強める米国は先月、一部の国を対イラン禁輸制裁の適用除外としていた措置の撤廃を発表したが、シュリングラ氏によれば、それ以前から既にインドはイラン産原油の輸入量を大幅に削減していたという。インド総選挙でのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相勝利に関する記者会見の場で語ったもので、シュリングラ氏は、インドは4月に100万トンを輸入したのを最後にイラン産原油は一切、輸入していないと述べた。

 インドはエネルギー需要が高まる中で供給原油の10%をイラン産で賄っていたため、輸入停止によって国内は厳しい状況にあると、シュリングラ氏は指摘する。インドは米国とパートナー関係にあるとの理由で、南米ベネズエラからの原油輸入も停止したという。

 イランとの関係についてシュリングラ氏は、インドとは長きにわたって文化的な結びつきがあり、広義での隣国だと述べたが、イラン政府への不信感を抱くドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の対イラン観にインド政府も同調するのかとの問いには答えなかった。(c)AFP