【5月24日 AFP】フランス・リーグ1、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のナセル・アル・ケライフィ(Nasser Al-Khelaifi)会長が23日、今年開催される世界陸上ドーハ大会(IAAF World Championships in Athletics Doha)の招致活動をめぐる不正行為に関与したとして正式な捜査が始まった。フランスの司法筋が明らかにした。

 カタールのテレビ局beINスポーツ(beIN Sports)のトップも務めるアル・ケライフィ会長は、17年と19年世界陸上開催地招致をめぐる疑惑で、今年3月から捜査対象となっていた。

 カタールのドーハは17年大会の招致では英ロンドンに敗れたものの、2019年大会ではライバル都市の米国・ユージーン(Eugene)とスペイン・バルセロナ(Barcelona)を退けて開催地に選出された。

 アル・ケライフィ会長は、書簡でフランスの法律用語である「予審開始決定」を知らされた。この言葉は米国や英国の法律用語には直訳できないものの、大まかに言えば訴追を意味する。自動的に裁判が始まるわけではないものの、検察側が強固なあるいは裏付けとなる不正の証拠を握っていると思われる。

 アル・ケライフィ会長は国内カップ戦の決勝でカタールにいたため、今月16日に予定されていた聴取に応じることはできなかった。

 フランス検察は特に、2011年に同会長の兄弟であるハリド・アル・ケライフィ(Khalid Al-Khelaifi)氏が運営するカタール・スポーツ・インベストメンツ(Qatar Sports InvestmentsQSI)が、スポーツマーケティング会社を運営するパパ・マッサタ・ディアック(Papa Massata Diack)氏に2度にわたり350万ドル(約3億8000万円)を支払った件について捜査している。

 同氏は1999年から2015年まで国際陸上競技連盟(IAAF)の会長を務めていたラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)氏の息子で、国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーだった。(c)AFP