【5月22日 AFP】麻疹(はしか)の世界的な再流行に直面している保健分野の専門家らは21日、ワクチン忌避との闘いに本格的に取り組むよう世界の国々に呼び掛けた。予防接種を忌避する動きはまるで伝染病のように広まっていると、専門家らは警鐘を鳴らしている。

 ワクチン接種に対する抵抗感が、予防可能な病気のまん延を許しているとの懸念が高まる中、世界保健機関(WHO)のテドロス・アドハノン(Tedros Adhanom)事務局長は、世界各国の専門家および保健相らとともに「ワクチンへの信頼向上」に関するイベントに参加した。

 テドロス事務局長は、スイス・ジュネーブで開かれた今回の会合で「予防接種に関しては、悠長に構えていられる国など一つもない」と語った。ジュネーブでは現在、WHOが主催する年次総会が開催されている。

 WHOによると、はしかの患者数は2018年に300%の急増を示したという。はしかは伝染力の強いウイルス感染症で、時に死亡に至る恐れもある。

 かつてはほぼ根絶状態にあったはしかの再流行は、富裕国で高まっている反ワクチン運動とリンクしている。反ワクチン運動は、世界の健康に対する重大な脅威として認識されている。

 貧困国へのワクチン供与を行っているGAVIアライアンス(GAVI Alliance)のセス・バークリー(Seth Berkley)代表は、AFPの取材に対し、ワクチンの安全性に関する誤った情報は「光のような速さで拡散している」と警告し、「(もはや)伝染性の病気そのもの」と述べた。

 ワクチンに反対する考え方は、主に西側諸国全体で支持者を集めている。特に米国では、はしかワクチンに自閉症を引き起こすリスクがあるとの医学的根拠のない主張がソーシャルメディア上で拡散したことから、さらに熱を帯びた。この主張が誤りであることは、20年前にすでに証明されている。

 21日のイベントを欧州連合(EU)やブラジルとともに主催した米国は、この「デマ情報」が原因で国内のワクチン接種率が低下している事態に危機感を示した。

 会合に出席した米国のアレックス・アザー(Alex Azar)厚生長官は、「ワクチンは入手可能な医療品の中でも、特に徹底的な検証を経た製品の一つだ。ワクチンは安全で効果的であり、人命を救うことができる」と発言。また、善意の保護者たちを混乱に陥らせ、推奨される予防接種をちゅうちょさせるソーシャルメディアの「陰謀グループ」に対しては、激しく非難した。