【5月22日 AFP】北朝鮮の金星(Kim Song)国連大使は21日、記者会見を行い、米国が今月、北朝鮮国有の貨物船「ワイズ・オネスト(Wise Honest)」号を差し押さえたことは今後の米朝関係に影響を及ぼす可能性があると警告した。

 金大使は席上、北朝鮮政府は米国による同号の差し押さえを受け、米側の「あらゆる動き」を注視していると述べた。同大使によるこうした会見は異例。金大使は「米国は自国の法外な行動が今後の発展に及ぼす影響を熟慮、再考すべきだ」とした。

 同大使は差し押さえについて、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が交わした関係改善の約束に対する「完全な否定」だと主張。直ちに同号を返還するよう米政府に求めた。

 米国は9日、「ワイズ・オネスト」号を差し押さえたことを発表し、同号が北朝鮮産石炭の輸出に使われていたと説明。同号の活動は、北朝鮮の核兵器・弾道ミサイル開発計画の禁止をめぐる国連制裁に違反するものだとした。

 米国が北朝鮮の船を差し押さえたのは、これが初めて。北朝鮮の海運業者が船を改名し、偽の旗を使ったり、位置情報装置のスイッチを切ったりしながら摘発を逃れる中、米国は数年にわたって公海での取り締まりを続けてきた。(c)AFP