【5月21日 時事通信社】欧州連合(EU)で23日から4日間、欧州議会選挙の投票が加盟国ごとに行われる。ナショナリズムやポピュリズム(大衆迎合主義)を背景に各国で台頭する反EU勢力と親EUの主流派が対決する構図。英国のEU離脱を見据えた欧州統合の将来を左右する重要な選挙となる。

 「ナショナリズムは欧州(統合)プロジェクトの敵だと明確にしなければならない」。EUを長年けん引してきたドイツのメルケル首相は18日の集会で、反EU勢力への対抗姿勢を鮮明にした。

 一方、フランスの「国民連合」のルペン党首やオランダのウィルダース自由党党首ら各国の極右政党幹部は同日、イタリア・ミラノに結集して反移民などでの連携を確認。主宰した極右「同盟」率いるサルビーニ伊副首相は「欧州大陸を(EUによる)不法占拠から解放する時だ」と訴えた。

 世論調査では、メルケル氏も所属する欧州議会の中道右派「欧州人民党(EPP)」と、中道左派「欧州社会・進歩連盟(S&D)」の主流派が初めて合計で過半数割れする見通し。他方、反EU勢力は計3分の1に達する勢いだ。

 ただ、オーストリアでは、連立与党の極右・自由党党首の副首相による汚職疑惑が発覚。EPPメンバーのクルツ首相が連立解消と総選挙実施を決断するなど、欧州議会選を前に極右勢力には逆風も吹く。(c)時事通信社