【5月21日 AFP】(更新)フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の伝説的ドライバー、ニキ・ラウダ(Niki Lauda)氏が20日に死去したことが分かった。70歳だった。同氏は8か月前に肺の移植手術を受けていた。

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 ラウダ氏の家族は21日未明、「誠に残念ながら、愛するニキが20日、家族が見守る中で息を引き取ったことをお伝えします」とオーストリアメディアにコメントを公表した。

「アスリートおよび起業家としての類いまれなる偉業は、決して忘れられることはないでしょう。その途切れることのない行動への熱意、そして率直さと勇気はずっと残り続けていく」「彼は私たち全員の模範であり基準でした。そして公の場を離れれば、愛にあふれた優しい夫であり、父親であり、祖父でした。彼がいなくて寂しくなります」

 古巣のマクラーレン(McLaren)は公式ツイッター(Twitter)に、「われわれの友人であり仲間、そして1984年の世界王者ニキ・ラウダ氏が亡くなったことを知り、マクラーレン全体が深く悲しんでいる。ニキは永遠に私たちの心に残り、歴史に名を刻んでいくことだろう。安らかに眠れ、ニキ」とつづった。

 フェラーリ(Ferrari)時代の1975年と1977年、マクラーレン時代の1984年に世界選手権を制覇しているラウダ氏は、2012年からメルセデスAMG(Mercedes AMG)で非常勤会長を務めており、ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)のチーム入りに当たって重要な役割を担ったほか、コンストラクターズ選手権5連覇の功労者となった。

 現役時代の1976年8月1日には、すでに5レースで優勝していた中で迎えた独ニュルブルクリンク(Nurburgring)でのレースで、マシンがクラッシュして炎に包まれる恐ろしい事故に遭遇し、顔や手に大やけどを負ったほか、有毒ガスを吸って肺を損傷した。

 しかし、病院では死の淵に立たされながらも奇跡的に回復し、わずか6週間後には包帯を巻いた姿で激しい痛みをこらえながらレースに復帰した。(c)AFP