【5月20日 AFP】オーストリアで、汚職疑惑をめぐる副首相の辞任で連立政権が崩壊したことを受けて、アレクサンダー・ファンデアベレン(Alexander Van der Bellen)大統領は19日、9月に総選挙を実施したい考えを示した。

 その2日前の17日、極右政党・自由党(FPOe)のハインツクリスティアン・シュトラッヘ(Heinz-Christian Strache)副首相兼公務・スポーツ相が、選挙における同党への支持の見返りに公共事業を発注する可能性について話す様子を収めた動画をドイツの2紙が公開。

 これを受けてシュトラッヘ氏は引責辞任。政界に激震が走った。

 ファンデアベレン大統領と共に会見したセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相は、選挙の前倒しは「望ましくはないが必要」だと述べるとともに、隠し撮りの主体が誰だったのかを追及する構えを見せた。

 一方で、総選挙まで誰がシュトラッヘ氏の後任を務めるのか、また過去に物議を醸したこともあるヘルベルト・キクル(Herbert Kickl)内相を含め、FPOe幹部らが今後も政権内にとどまるのかという質問に対しては、大統領も首相も回答しなかった。(c)AFP