【5月17日 AFP】米国を含む50か国以上から暫定大統領就任への承認を得ているベネズエラの野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)氏は16日、対立するニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とグアイド氏側との仲介役を申し出ているノルウェーに代表団を派遣したことを明らかにした。その一方で、マドゥロ政権側と協議が進行中との報道は否定した。

 グアイド氏は首都カラカスで開かれた支持者集会で、複数の代表者がノルウェーを訪問中だと述べ、ノルウェー政府はマドゥロ政権側とグアイド氏側の協議に向けて調整を行っていると説明。だが、まだ両者間での交渉は一切行われていないと強調した。

  
 デモ隊と政権側が激しく衝突し、死者も出たグアイド国会議長と反米左派のマドゥロ大統領との数か月におよぶ権力争いで、両者間に協議の動きがあると公にされたのは、今回のグアイド氏の発言が初めて。

 先にノルウェーの国営テレビ・ラジオNRKは、匿名筋の情報として、ベネズエラ代表団の協議が首都オスロで数日間にわたり秘密裏に行われたと伝えた。代表団は16日に帰国したという。さらに複数の南米メディアも、同様の記事を報じていた。

 こうした報道について、グアイド氏はカラカスで記者らに対し、国民議会(National Assembly)のスターリン・ゴンザレス(Stalin Gonzalez)副議長とヘラルド・ブライデ(Gerardo Blyde)元議員が野党側の代表としてノルウェーを訪問したと認めた。

 報道によると、マドゥロ政権側の代表はホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodriguez)通信情報相とミランダ(Miranda)州のエクトル・ロドリゲス(Hector Rodriguez)州知事だったという。(c)AFP/Alexander MARTINEZ