米アラバマ州、中絶ほぼ全面禁止法案を可決 レイプや近親相姦でも
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【5月15日 AFP】米アラバマ州議会上院は14日、レイプや近親相姦(そうかん)による妊娠も含め、中絶をほぼ全面的に禁止するという全米で最も厳しい法案を可決した。
法律が成立すれば、中絶手術は犯罪とみなされ、手術を行った医師には10年以上99年以下の禁錮刑が言い渡される可能性もある。中絶が例外的に認められるのは、母体の生命が危険にさらされている場合、または胎児が致死的な状態にある場合に限定される。
法案可決を受けて米国自由人権協会(ACLU)は、「これはレイプや近親相姦の被害者の身体に関する自己決定をさらに奪って出産を強制することにより、被害者らを罰する法案だ」と断じ、法律の施行阻止を目指して裁判を起こす構えを示した。
共和党が主導権を握る同州議会上院で可決された法案は、同じく共和党のケイ・アイビー(Kay Ivey)知事の元へ送られた。知事が署名すれば法廷闘争に持ち込まれ、判断が最高裁に委ねられることも考えられる。
法案の支持者らは、最高裁で争うことを歓迎する姿勢を明確に打ち出している。ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の大統領就任後、最高裁判事は保守派が過半数を占めており、共和党の中には1973年に最高裁が女性の中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)判決」を覆す好機と捉える向きがある。(c)AFP