■ピカソのなりすまし?

 ピカソのファカハ訪問が事実だとすると、ピカソはアビジャンまで船で渡り、そこから1000キロの道のりを、太陽をさえぎるものがほとんどない、焼け付く乾いた道路を旅したことになる。むしろ探検家にふさわしい冒険だ。そのような大掛かりな旅は少なくとも数か月を要し、特筆した伝記もありそうなものだ。

 それでも、この話には謎めいた興味を抱かせる要素がある。

 専門家の意見を求め、AFPはパリのピカソ美術館(Picasso Museum)に問い合わせたが、コメントは得られなかった。さらに数人の伝記作家とも話をしたが、彼らも見解を明らかにすることを拒んだ。

 コルホゴの街の住民が語ったある説は、その人物はピカソの偽者だったというものだ。ピカソにそっくりな人物が、彼のふりをして村人たちをだましたというのだ。

 それはそれで、なぜそんなことをしたのかという、別の疑問がわいてくる。映像は1、2月に撮影。(c)AFP/Patrick FORT