【5月17日 AFP】テニス、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2019)は16日、女子シングルスの試合が行われ、大会第1シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)は準々決勝進出を果たし、世界ランキング1位を維持した状態で今月26日に開幕する全仏オープン(French Open 2019)を迎えることになった。

 前日の試合が雨天順延になったため、選手たちがダブルヘッダーを余儀なくされる中、大坂は1時間42分かかりながらもドミニカ・チブルコバ(Dominika Cibulkova、スロバキア)との2回戦を制すと、3回戦でも同29位のミハエラ・ブザルネスク(Mihaela Buzarnescu、ルーマニア)を6-3、6-3で下した。

 2回戦が始まる前、大坂が全仏オープンで第1シードが与えられる同ランキング1位を確保するには、8強入りする必要があった。しかし、2回戦で全仏女王のシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)がマルケタ・ボンドロウソバ(Marketa Vondrousova、チェコ)に6-2、5-7、3-6で敗れたため、この時点で大坂の1位が確定した。

 大坂は「大会で優勝することを考えなければならない。この大会中に考えているのはそういうこと」とコメントした。「(全仏の第1シードを獲得でき)もちろん安心した。私の中で間違いなく大きな目標だったから」

 大坂は準々決勝で、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2019)を制した第6シードのキキ・ベルテンス(Kiki Bertens、オランダ)と対戦する。

 大坂とベルテンスはこれまでに2度対戦しており、対戦成績は1勝1敗となっているが、クレーでの対戦は初めて。大坂は2016年のメキシコ・オープン(Abierto Mexicano TELCEL Presentado Por HSBC 2016)で勝利しているが、昨年のWTAファイナルズ(WTA Finals Singapore 2018)では途中棄権により敗れた。

 昨年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2018)と今年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2019)で優勝を果たし大躍進した大坂は、過去に2度出場したイタリア国際では2回戦を突破できていなかった。

 また、大坂は昨年までクレーコートの大会で一度も8強入りできなかったが、今年は全仏オープンの前哨戦であるポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2019)で準決勝に、マドリード・オープンでは準々決勝に駒を進めた。

 クレーコートより硬いサーフェスのほうが得意だというイメージのある大坂は、球足の遅い欧州の赤土に慣れつつあると主張した。

「最も大切なのは、クレーコートに対して不平を言うことではなく、その適応の手段を見つけ出そうとしていること。クレーコートでの戦いは、シーズンの中で避けては通れない」

「今はクレーのシーズン。全てを飛ばして進むのは無理。それに、全てのサーフェスで優れた選手になりたいと思っている。その大きな一歩になるのは、もちろん、クレーで良いプレーができるようになって、どうやって適応するかを学ぶことだと思う」 (c)AFP