【5月14日 AFP】イラクとシリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討を目的とした米軍主導の有志連合に加わる英軍の報道官が14日、中東におけるイランの脅威は深刻化していないと発言し、米国の主張とは矛盾する見解を示した。

 米政府は、自国と同盟国に対するイランの脅威が差し迫っていると警告し、ペルシャ湾(Persian Gulf)一帯の兵力を増強している。

 しかし、有志連合による「生来の決意作戦(Operation Inherent Resolve)」の英報道官を担当するクリス・ギカ(Chris Ghika)少将は、テレビ会議システムを通じて米国防総省で会見し、「イラクとシリアでは、イランが支援する勢力の脅威は拡大していない」と断言した。

 この発言の後、直ちに米中央軍(US Central Command)は、イランの脅威は高まっていると反論。同軍報道官のビル・アーバン(Bill Urban)大尉は、「米国および同盟国の情報機関は同地域で、イランが支援する勢力の差し迫った脅威について確認しており、(ギカ氏のコメントは)これらの情報と矛盾する」と述べた。米軍はイランの脅威に対抗するためとして過去9日間にわたり、湾岸地域の空母打撃群にB52戦略爆撃機やパトリオットミサイルなどを追加し、配備を増強していた。

 この見解の相違は、米軍が裏付けとする情報を説明することなく、湾岸周辺の兵力を増強していることに対する疑問を強調する結果になった。専門家の間では、ギカ氏のコメントに加え、米政府はイランが何を計画していると考えているのか、詳しい説明がないことから、トランプ政権が正当な理由なく中東の緊張を高めているとの疑いが生じている。

 またイラン側も、何も計画などしていないと真っ向から否定。米国の同盟国らは、湾岸地域へのパトリオットミサイルや強襲揚陸艦の配備は偶発的な出来事が大きな紛争を誘発する可能性を高めるとして、事態が深刻化する危険性について警告している。(c)AFP/Sylvie LANTEAUME