【5月15日 AFP】メッセージアプリのワッツアップ(WhatsApp)は14日、同アプリへのマルウエア(悪意のあるソフトウエア)の侵入が可能となるセキュリティー上の欠陥が見つかったと明らかにし、利用者に同アプリを最新版に更新し、欠陥を修正するよう呼び掛けた。高度なマルウエアでジャーナリストや活動家らに対するスパイ行為が可能となる恐れがある。

 米フェイスブック(Facebook)の傘下にあり、世界に15億人の利用者を抱えるワッツアップは、この脆弱(ぜいじゃく)性を修正するアップデートを公開。利用者に、マルウエアの「標的となり携帯端末に保存されている情報を危険にさらすのを防ぐため、同アプリを最新版に更新すると同時に、携帯端末用基本ソフト(OS)も常に最新版に更新しておく」よう呼び掛けた。

 デジタル権利擁護団体「民主主義・技術センター(CDT)」のジョセフ・ホール(Joseph Hall)氏は、発見されたスパイウエアについて、イスラエルのNSOグループ(NSO Group)が開発したソフトウエア「ペガサス(Pegasus)」と関連があるようだと指摘。同ソフトは通常、法執行機関や情報機関向けに販売されている。

 ホール氏はこの欠陥が修正されなければ、ハッカーによる人権活動家やジャーナリストなどのスパイ行為が可能になると説明。「非常に大きな危険となる恐れがある」と語った。(c)AFP/Rob Lever