■自宅貸し出すためキャンプする地元住民も

 カンヌでは、エアビーアンドビー(Airbnb)だけで1晩で2500から4000人の利用者があり、17日には4600人のピークに達する。映画祭開幕前の金曜日にエアビーアンドビーが同地で扱う宿泊先の10倍近い数だ。

 手っ取り早く稼げるせいで、「中には、自宅を貸し出して大金をもうけようと、ためらうことなく沿岸部のキャンプサイトで寝泊まりすることを選ぶ地元住民もいる」と、フロント係のエルベさんは冗談まじりに話した。

 飲食店にとっても映画祭は、ありがたい稼ぎ時だ。中には料金をつり上げる店もある。

「5月が年間で一番売り上げが多い。店も混む。11日間で5000人分の料理を提供する」と話すのは、イタリアンレストランの経営者、パスカル・アマール(Pascal Hamard)さんだ。

 しかし、ここ数年は売り上げが落ちているとして、タクシーやホテルの料金が引き上げられるため、「一部の客は、法外な料金を取られているのではないかと非常に疑い深くなった」とアマールさんは話した。

「映画祭のためにカンヌにやって来る今どきの人たちは、以前より用心深くなった。自分の上司から注意されているんじゃないかという気もする。しかも、財布のひもは昔よりずっと固くなっている」 (c)AFP/Estelle EMONET