【5月14日 AFP】カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)では、ホテルのスイートルームや豪華ヨットの上で映画の買い付けをめぐって巨額の契約が結ばれるが、大金はここだけで生み出されるわけではない。南仏コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)の地元住民にとっても映画祭は大きな収入源だ。

【写真特集】昨年のカンヌ国際映画祭、名場面集

 ホテルのフロント係として働いている男性、エルベさんはAFPに対し、「上司にとって、映画祭は金の卵を生むガチョウ」だと話し、勤務先の二つ星ホテルでは、映画祭が開幕すると「1泊40ユーロ(約5000円)から260ユーロ(約3万2000円)」に宿泊料金が跳ね上がると明かした。

 映画祭の期間中、カンヌの人口は普段の3倍近くに増える。そんなときに荒稼ぎするのは既得権益のある人々だけではない。 

 数分離れたところにあるライバル企業の三つ星ホテルでは、普段は1泊71ユーロ(約8700円)の部屋が350ユーロ(約4万3000円)と5倍の料金に高騰するという。しかも、朝食は別料金だ。

 カンヌのホテル経営者組合UMIHによれば、映画祭の本会場であるパレ・デ・フェスティバル(Palais des Festivals)付近のホテルでは、映画祭開催中の収益が年間売り上げの6分の1近くを占める。

 カンヌの自治体の公式統計によれば、2017年に映画祭が街にもたらした経済効果は1億9700万ユーロ(約240億円)に上った。

 だが、ホテル経営者らは、この数字が伸びる余地はまだあると主張する。

 UMIHのクリスティーン・ウェルター(Christine Welter)氏は、「映画祭の初週は満室になるが、2週目になると状況は厳しくなる」として、「ここ何年かは、昔ほど長期滞在しない客が増えた」と付け加え、原因の一端として、自宅やアパートを貸し出す人々による不正競争の影響を挙げて非難した。