【6月3日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2019)は2日、最終第21ステージの個人タイムトライアル(ベローナからベローナ、17キロメートル)が行われ、並みいる強豪の日陰の存在から台頭したモビスター・チーム(Movistar Team)のリチャル・カラパス(Richard Carapaz、エクアドル)が、自身初となる三大ツール(グランツール)総合優勝を果たした。

 プロとしてのツアーフル参戦はこれがまだ3シーズン目で、今大会も当初はエースのミケル・ランダ(Mikel Landa、スペイン)のアシストという位置づけだった26歳は、大会後半の特に山岳ステージで圧巻の走りを見せ、栄えあるピンクジャージーを奪取すると、この日の個人タイムトライアルは36位で無事にフィニッシュ。エクアドルの選手としては初となるグランツール総合制覇を達成した。

 コロンビアとの国境近くにある高地の街で生まれたカラパスは、「僕のスポーツ人生最大の瞬間だ」「この最後のタイムトライアルは最初から最後までひたすら苦しくて、その中で円形闘技場へたどり着いた。ジロ・デ・イタリアで優勝できて最高だ」とコメントした。

 カラパスは、特に第3ステージのメカニカルトラブルでタイムを落としたこともあって、大会期間中もノーマークの状態が続いた。1分5秒差の総合2位に入ったバーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)も、カラパスが昨年総合4位に入っていたことを考えれば、実力を甘く見たのは誤りだったと認めている。

 過去にこの大会を2回制しているニバリは「彼に余裕を与えすぎたのは、間違いなく自分たちのミスだった」とコメントした。

「サメ」の異名を持つニバリが常に警戒していたチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)は、総合3位となった。今季ここまで好調で、序盤にはステージ優勝も飾ったログリッチだが、総合のタイトルには手が届かなかった。

 ステージはチームサンウェブ(Team Sunweb)のチャド・ヘイガ(Chad Haga、米国)が勝利した。(c)AFP