【5月14日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)シーサンパンナ・ダイ族自治州自然資源公安局は10日、自宅で飼っていたサルが国家2級重点保護野生動物のベニガオザルだったことを知った景洪市(Jinhong)の市民が、自ら同公安局にサルの保護を申し出たことを明らかにした。 

 同局は9日、市民から約3年間飼育したサルを引き渡したいとの電話を受けた。通報を受けた警官は、同自治州野生動物収容救護センターの専門家と共に通報者の家へ駆け付けた。

 警官は通報者の家の裏庭で、体長約60センチ、体重5キロのサルが鉄製のおりを揺すりながら大声で鳴いているのを見つけた。

 通報者の童さんは2016年7月、ラオスに旅行した帰りに、同自治州勐臘県(Mengla)の中国ラオス国境付近で路上の行商人から子ザルを購入。自宅に連れ帰り飼育を始めた。

 童さんは、毎日新鮮な野菜や果物を買い与え、体を洗い、時間をつくっては庭で木登りの訓練をさせるなど心を込めてサルを世話した。サルは時間の経過とともに、童さんを家族だと思って甘え、童さんが外出すると大声で鳴くようになった。鎖を外して外に遊びに出ることもあったが満足すると自ら帰ってきた。

 サルはかなり利口で好き嫌いもなく、1年足らずで体長50センチ余りの成体になったが、成長に伴い野性的本能が顕著に表れるようになった。サルが近所の子どもに危害を加えることを心配した童さんは、鉄製のおりを購入しサルを飼うようになった。そうして約3年が過ぎ去った。サルを5000元(1元=約16円)で購入したいという人も現れたが断ったこともあった。

 サルが国家保護動物であることを自然資源公安局への問い合わせで知った童さんは、警察がサルを適切に保護することを求め通報した。

 専門家の検査により、このサルが中国の国家2級保護動物に指定されており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでも危急種(VU)に指定されているベニガオザルであることが確認された。警察では、サルがすでに野生生活に適応できなくなっている点を考慮し、野生動物救助ステーションに引き渡すことを検討している。(c)Xinhua News/AFPBB News