【5月12日 AFP】テニス、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2019)は11日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は4-6、6-2、3-6で第8シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)に敗れた。

 ナダルは12日の決勝進出へ向けて圧倒的に優勢とみられていたが、20歳の新鋭チチパスとの接戦を落とし、全仏オープンテニス(French Open 2019)の前哨戦でまたしてもまさかの黒星を喫した。

 ナダルの高い基準で考えれば、今年のクレーコートシーズンでの成績は期待外れだと言える。

 今年はモンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2019)とバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2019)でいずれもベスト4止まりとなり、今年は2015年以来4年ぶりにタイトルがない状態でマドリード・オープンに乗り込んでいた。

 ナダルは「十分に良いプレーができていない」と認め、「このサーフェスでは何年もたくさん勝利してきたが、今年はここまで同じようにいっていない」と話した。

 一方、4度目のマッチポイントで試合を決め、四大大会(グランドスラム)通算17勝のナダルから金星を挙げたチチパスは、これが今季4回目のツアー決勝進出。自身を男子テニス界の次世代のスター選手とする見方は妥当だと証明する活躍を見せている。

 決勝では第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と対戦するチチパスは「気持ちの面で非常に厳しかった。これまでで最も苦しみながら手にした勝利の一つになった」と語った。

 現在世界ランク9位のチチパスが、今月下旬開幕の全仏オープンで優勝を争うと予想するのは早すぎるかもしれないが、強力なフォアハンドを武器にした大胆なプレースタイルで、大舞台でも着実に結果を残してきている。

 1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を破ったチチパスは、これでナダルからも勝利を手にしたほか、すでにアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)とドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)からそれぞれ2勝を記録。また、ジョコビッチにも昨年のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2018)でフルセット勝ちを収めている。

 こうした結果に加えてナダルを破ったことで、チチパスは決勝を前に自信を得ただろう。早い時間帯に行われた試合で、第5シードのティエムを7-6(7-2)、7-6(7-4)で下したジョコビッチは、クレーでナダルに勝利することを「究極のチャレンジ」と表現していた。(c)AFP