【5月12日 AFP】中国が支援する総合インフラ開発計画の中核地となっているパキスタン南西部バルチスタン(Balochistan)州の港湾都市グワダル(Gwadar)で11日、武装した男3人が五つ星ホテルを襲撃し、少なくとも1人が死亡した。同州当局が明らかにした。

 軍によると男らはグワダルのパール・コンチネンタル・ホテル(Pearl Continental Hotel)の入り口で警備員1人を射殺した。グワダルで死者が出る襲撃が起きたのはこの1週間で2度目。軍の報道官は、ホテルの客は安全に避難し、武装した男らは最上階に上る階段で治安部隊に包囲されていると述べた。

 バルチスタンでは中国がその広域経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」の一環として支援している数十億ドル規模の総合インフラ開発計画、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)で複数の大型プロジェクトが行われている。

 この開発計画は中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)とアラビア海(Arabian Sea)に面したグワダルを結ぶもの。これにより中国は石油資源が豊かな中東へのアクセスが改善される。

 しかし、この開発計画は、住民が同州の資源の恩恵を公平に受けていないと主張する分離主義者による攻撃を引き寄せる原因ともなっている。(c)AFP