【5月11日 AFP】(更新)米首都ワシントンを訪問中の中国の劉鶴(Liu He)副首相は10日、米国との貿易交渉は北京で継続されると明らかにし、「重要な原則」では譲歩しない姿勢を示した。

 劉氏は中国メディアに対し、「交渉が決裂したわけではない。それどころかむしろ、これは2か国間における交渉で起こる通常のねじれだ。避けられないことだ」と述べた。また、「われわれは、北京で再び会い、引き続き交渉を進めていくことで合意した」とも語ったが、次の交渉の日程は明らかにしなかった。

 劉氏は米国での2日間の協議は「生産的だった」としたが、相違点は残っていると指摘。「多くの分野で合意したものの、率直に言うと合意していない分野もあり、これらは大きな原則に関わるものだと考えている」と述べ、米国との合意を妨げた主要な3つの点を初めて明らかにした。

 第1に、中国側は合意が成立すれば懲罰的な追加関税はすべて取りやめるべきだと考えていること。

 第2に、習近平(Xi Jinping)中国国家主席とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が昨年アルゼンチンで貿易戦争の「停戦」を宣言した際に予備的に合意した中国が輸入する米国製品の数量について、米中の見解が一致していないこと。劉氏は「これは非常に深刻なことで、状況は簡単には変わらないと思う」と述べた。

 第3に、「どの国にも威厳は必要」(劉氏)であるから、合意文書はバランスの取れた文言であるべきこと。

 劉氏は、「どの国にも重要な原則というものはある。われわれは原則に関わる事項では譲歩しない」と述べた。 (c)AFP/Ryan MCMORROW