【5月11日 AFP】米カリフォルニア州サンフランシスコで、乳がんで休職している小学校教員が代理教員を立てる費用の支払いを余儀なくされていることが判明し、保護者らが怒りをあらわにしている。

 地元紙サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)によると、この教員は同州の公立小学校、グレンパーク小学校(Glen Park Elementary)の2年生を担当。乳がんで年末まで休職しているが、州教育法の規定により、代理の教員を立てる費用として1日当たり200ドル(約2万2000円)近くを支払っている。

 この学校に子どもを2人を通わせている女性は、「保護者らは怒り、信じられない気持ちでいる」と述べ、「絶対に何か間違っている」と訴えた。

 一方、学区の広報担当者はAFPに対し、代理教員の費用の支払いは珍しいことではなく、州法で規定されていると説明。また、これはサンフランシスコだけの規則でも、この学区だけの規則でもないとする声明を出した。

 広報担当者によると、学区の教員は年間10日の病気休暇を取得でき、取得しなかった場合は翌年以降に繰り越せる。病気休暇を使い切った場合は100日の延長が可能で、その間の給与は代理を立てる費用を差し引いた上で支給される。

 認知度の低い規定だが、今回の事態を受けて保護者らの知るところとなった。保護者らは先月から、この教員のため資金集めを開始。クラウドファンディングサイト「GoFundMe」で1万4000ドル(約150万円)近くが集まっているほか、一部の児童は手作り菓子を売って資金を集める計画をしている。

 なお、この教員の身元は本人の希望で公表されていない。(c)AFP