【5月10日 AFP】欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)で農業・農村開発を担当するフィル・ホーガン(Phil Hogan)委員は10日、訪問先の日本で、欧州は日本の有名な和牛や神戸牛を輸入しており、「相互主義」に基づいて日本もEU全加盟国からの牛肉輸入を解禁するよう要請した。

 日本は1996年、牛海綿状脳症(BSE)感染の懸念を理由に英国からの牛肉輸入を禁止。2000年にはこれを拡大し、EU産の牛肉製品すべての輸入を禁止した。

 その後、EU各国政府によるBSEの発生抑制努力が奏功し始めるにつれ、日本はオーストリア、英、デンマーク、仏、伊、アイルランド、オランダ、ポーランド、スウェーデンからの牛肉輸入は再開。しかし、EU内の残る19か国からの輸入は現在も禁止されている。

 これについてホーガン氏は記者会見で、2005年以降、EU内でBSEの発生は認められていないにもかかわらず、日本市場にアクセスできるのは「ごく少数の国」に限られていると指摘。

 EUが和牛や神戸牛の輸入を認めているのは「友好の証し」であるとした上で、「EUは、基準が満たされた段階で相互主義が適用されることを期待しており、われわれとしては、EUは日本側の要件に完全準拠していると考えている」と強調した。(c)AFP