【5月10日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」をめぐる調査で大陪審への証言を拒否して収監されていた元米陸軍情報分析官のチェルシー・マニング(Chelsea Manning)氏が9日、釈放された。同氏の支援団体「スパロー・プロジェクト(Sparrow Project)」が明らかにした。

 釈放は、収監期間が大陪審命令で収監できる最長の62日に達したため。だが、マニング氏は来週にも次の大陪審審問を受けることになっており、再び収監される恐れがあるという。

 マニング氏はウィキリークスに関する調査をめぐってバージニア州アレクサンドリア(Alexandria)の大陪審で証言を求められたが、拒否したため、法廷を侮辱したとして3月初めに収監されていた。

 マニング氏は、証言拒否の理由を「倫理的」なものだと主張し、ウィキリークスへの自身の関与については既に何年も前に全て証言したと説明している。

 スパロー・プロジェクトはマニング氏の弁護団の話として、同氏は早ければ16日にも大陪審に出廷する予定だが、証言する意志がないため再び収監される見通しだと9日の声明で述べた。

 マニング氏はトランスジェンダー(性別越境者)女性で、米軍勤務時代はブラッドリー・マニング(Bradley Manning)という名前だった。イラクとアフガニスタンでの戦争に関連する大量の米軍機密情報を漏えいした罪などで、禁錮35年の有罪判決を受け、3年余り収監された後、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の在任中に減刑され釈放された。(c)AFP