【5月10日 Xinhua News】中国の戦国時代(紀元前475年~同221年)に造られたとされる「美酒」が里帰りした。「美酒」は2009年に陝西省宝鶏市(Baoji)眉県(Mei)教坊村で地面の掘削作業をしていた村民が偶然見つけた扁壺(へんこ、胴が扁平な容器)に入っていた。器物の鑑定を行った陝西省考古研究院によると、内部に残されていた液体は中国最古のエタノール(アルコール)類を含む液体であり、扁壺は戦国時代の青銅器で国家一級文化財だと判明した。同研究院は今月7日、器物の修復や研究作業が終了したことを受け、「美酒」の入った扁壺を出土地の眉県博物館に引き渡した。

 眉県博物館の劉懐軍(Liu Huaijun)副研究員によると、青銅扁壺は主に戦国中期から後期にかけて盛んに作られていた。同県で出土した扁壺は高さ35センチ、厚さ9センチ、本体の直径31センチ。表面には羽状飾が施され、秦の青銅器の典型的な特徴を備えていた。発見時には壺を軽く揺らすと中の液体が音を立て、酒に似た香りもしたという。

 劉氏はまた、「青銅扁壺には、中国でこれまでに見つかった中では最古のエタノール類を含む液体が入っていた。中国の考古学分野で酒の発見の歴史が少なくとも200年さかのぼることになる」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News